タイトルを入力してください
ポトリと ガクごと落ちた桜を持ち帰り、
水の入ったグラスに浮かべるのが
散歩必須の 犬を飼ってからの恒例だった。
雨で落ちた八重桜は、ハラリハラリと
僕の手の中で 砕け散ったよ。
捨てて、帰った。
携帯 と VQ1015 ENTRY
『タイトルを入力してください』って、出るよねぇ?
・・・大きなお世話だよなぁ、まったく。
小学校四年の時に、
詩を書いてきなさい! なんて宿題があってさぁ。
机の中で パンをカビカビにさせちゃうような、
勉強劣等、宿題忘却男子がさぁ
『るすばん』留守番って、タイトルでサッサッとやっつけ仕事的に
珍しく、宿題してきたのよ。
まあ、四年生ってな年頃は、
ビミョウに色気づいて、ちょっとズルがしこいような感じだったかな~。
あの、升目に文字を書き込む僕の大嫌いな原稿用紙に
みんな、 それなりの 量 の 詩 を書いてきてたはずなんだよな。
同級生みんなは、彼の たった二行の詩に 失笑よ。
「るすばん」
ひとりぼっちで、さみしい。
だれか、来ないかなあ。
タイトルは、タイトルの粋を超えてるよなっ。
元来、こうあるべきモノなんだろうなっ。
二行じゃなく、三行だもんなぁ。
もう、これ以上は 縮められねえし、伸ばせられねえし・・・。
こんな、ズバリ!!の写真を撮ってみたいもんだなあ~。
10年前に彼を最後に見たとき、
僕を震えさせた あの言葉を紡ぎ出した子は、浮浪者やってたよ。