・・・降りける

 
 
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ひとり
 
ギアをリバースに入れて、軽トラックしか通れないような農道を 
 
コンパクトな普通車に乗って バックで進む
 
右手の水路 左手の田んぼに 脱輪しそうで
 
オマケに電信柱も 並んでやがる
 
スタッドレスタイヤがメリメリと 白い雪の上に轍をつくる
 
 
くるぶし 程度の 積雪で、 その程度の積雪で
 
なにもかも 覆い隠されて・・・
 
 
寒気の中の 下弦してゆく月
 
 
 
なんということもない 
 
意義もない 意味もない
 
ただ なんとなくね
 
 
 
とても静かで とても明るい夜
 
もはや 情熱も醒めた 若くもない身体は 冷えていく 冷えていく
 
その 冷えている という熱さえも 持続することはない
 
 
 
伝えない想い 
 
呼び起こさない思い出
 
いずれ、道ばたの汚れとともに 溶けてゆく雪 
 
意味もない
 
なにもかも
 
 
 
 
冷えた鉄の三脚
 
 
冷えた鉄の三脚
 
 
もと来た道を 前進して戻る
 
 
真夜中になり 車を進めると バリバリと 雪が鳴りはじめた