Location hunting
春を迎える頃に、僕は 生まれた。
車の免許を取る頃には、春は終わってた。
乗り始めて、一年近く過ぎると 春が来た。
いろんな場所に、桜は咲くんだなあ と思った。
人目につきやすい場所で咲く桜は、綺麗だと感じた。
見事に咲く桜は、常に「綺麗だ」と云われてるから、
綺麗に咲くんじゃないだろうかと思った。
山桜は なんとなく好きだ。
『ここ。
ここに、居たんだよ。ずっと。』
彼女たちは、
ズバリ満開!!
なんていう おっぴろげた咲き方はしない。
咲き始めなのか 散り始めなのか 判然としないまま
そこはかとなく そこはかとない新緑の時期を 迎える。
秋に 見つけた 桜の木
木の肌 が、
まごうかたなき桜だった。
まごうかたなき桜だった。
染井吉野のように ヤワじゃなく。
咲いたら撮る と 勝手に約束していたんだが、果たせなかった。
すでに散りはじめていた。
やはり換算28mmでは、画に入らないし、
雨の中 散っていく様子も写せない。
携帯電話のカメラは 嫌いじゃないけど、
やっぱり、
写真は 機材に依存するなあぁ。
試し撮りは、念頭にあった構図ではなく お茶を濁すように
シャイニングシルバー号(リード90)を撮ることにした。
来年の春の夜にも 撮り 得ないだろう。
来年の春の夜にも 撮り 得ないだろう。
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数日後、リード90は 事故に遭う